現在、私は「旅」「写真」「ライター」など、いくつかの分野に携わりながら仕事をしている、いわゆるマルチキャリアで働いています。
といいつつ、全然まだまだで、あーだこーだ手探り中ではありますが💦

今でこそそんな感じですが、ほんの数年前までの約10年間、「典型的な日本人的な社会人」らしく会社勤めをしていたものでした。

フリーで仕事をするなんて無縁。フリーランスといったら「特別な何かを持った人がなるもの」であり、何より一番は「仕事のオファーも収入も不安定」というイメージ。
私なんかが手を出せるものではないと思い込んでいました。

親が公務員。安定第一。正社員万歳。昔からそんな教育を受けていたので、会社以外で働くなど選択肢にもありませんでしたし。
しかも、私が勤めていた会社は、(自分でいうのもなんだが)給料もそこそこいい、そこそこ評価もされている、自由も効く、休みも取りやすい、人間関係で悩むこともない、ようなところでした。
まぁ普通に考えたら転職要素、…ないですよね?

それが、中小ではめずらしい急な異動、フロアの引っ越しなどをきっかけに徐々に状況が変わり、1年ほど経ったころには「居心地が悪く」「会社に行くのが嫌」と思う状況になってしまい、あれよあれよという間に退職モードに移行。。
私にとっては、10年もいて会社に行くのが嫌という感情が生まれたことがある意味衝撃的で、そう感じてしまったらもう私には居場所はないだろうと思ってしまいました。
(ある意味、10年もそう思わなかったことは幸せだったと思いマス)

理由は、なんだか上司と疎遠になり、そうしたら段々気に入られなくなり、明らかに仕事をはずされるようになったからです。
今までものすごく仲良くやっていた上司と部署が変わり、席が離れたらコミュニケーションを取る量が圧倒的に減り、顔を合わせるのが会議くらいに。

その状況を何とかしようといろいろと働きかけたのですが、空回りばかりでまったく前のようには戻れず。

こうした状況で鬱々として落ち込んだというよりは、なんだかものすごく―無力感―を感じたのでした。

長くいて、一生懸命会社に貢献したつもりでいたけど、それって自分のただのエゴだったなぁと。
今まで優先してきた上司とうまくやるためのいろいろな気遣いは意味をなさなくなり、自分が会社にいるための大事にしてきた価値観が一気に崩れ去ったという感じでしょうか。

会社員ってそうじゃないですか?
特に日本は、社内政治の重要性っていまだに根強くあって、上司に気に入られればリアルに給料上がるとか、昇進できるとか。
かつての私の会社もまさにそうで、もちろん本来的には「違う」というのは情報としては知ってるんだけど、10年もいるとそのおかしい状況が「当たり前」に思えてきちゃうんですよね。
他の人もみんなそうだし。

10年目にして、初めて会社での居場所がない苦しさに直面したと同時に、いかに自分が超日本人的に「会社のために!」ってやってきてしまったことに気づいてしまったんです。

そしたら…だんだんバカバカしくなってきてしまったんですよね(笑)。
もっと自分主体でやってけてれば違ったのかもしれないけど、
新卒当時は、就職氷河期。さらにはちょっと性格もひねくれてたもんだから、就活マニュアルとか全然参考にしないでやっつけ活動。
当然、内定はなかなかもらえずに、とりあえず卒業後に契約社員として1年働くも退職。
第二新卒で就活もうまくはいかず、あきらめかけてた末にようやく内定がもらえた会社だったから「自分を受け入れてくれるのはここしかない」「辞めたら他でなんて雇ってもらえない」って思い込んでたんですよね。

それもあって、相手の顔色をうかがうことについてはめちゃくちゃスキルアップできたのできました。ただ、それが必要ない状況になってしまったら、いざ自分は何を軸にやってけばいいのかわからなくなっちゃって…。

そんな状況になると、不思議と周りに「会社を辞めて留学した人」とか「会社勤めなんて一度もしたことない人」とか、自分とは違う環境に身を置いている人の話を聞くタイミングがやってきたのです。

そういう人の話は、当時の自分にはすごく輝かしくて魅力的に映ったものです。
なによりも、大変であっても自分の人生を自分の手で切り開いている感じが伝わってきて、
「これはもう、環境を変えるべきだ」っていう何かのサインなのかもしれないなと直感的に感じたのでした。

さらに偶然が重なり、私の退職への決意は確固たるものに代わっていったのです。

当時、リフレッシュするべく訪れた河津桜@静岡県河津町