人生で一度は行ってみたかった場所、ウユニ塩湖

これまで行った国の中で一番のおすすめはどこですか?
幾度となく聞かれたことがあるこの質問の答えで、必ず挙げるのは「ウユニ塩湖」です。

「ウユニ塩湖って知ってる?」と会社の先輩から初めて聞いたのが10年ほど前。
すごい景色が見られるところなんだなぁ、いつかいってみたいなぁと思っていたら、ここ数年で「死ぬまでに見たい世界の絶景10選」に選ばれたりメディアにとりあげられたり、写真集が出たり、ものすっごく耳にするようになって、〝これは早いところ行ってみたい”と思ってた場所でした。

なんとなく一人旅じゃなくて誰かと行きたいなと思っていたけど、なにせ値段や場所的にも気軽に誘える場所ではない。
なんて思っていると、人生とは面白いもので、ものすごく良いタイミングで「とにかくウユニ行きたい!」という友達を引き寄せることに成功!
久しぶりに会った大学時代の友人とたまたま旅行話をしていたら、私もウユニ行きたいと思ってたの!!!と意気投合したのです。意を決してボリビア・ウユニ行きが決定しました!

ウユニ塩湖へ行く前の恐怖はだたひとつ「高山病」

ただこのウユニ、そこそこ旅行好きで、これまで割といろいろ行ってる私でも心理的なハードルが結構高いところでもありました。

なぜか。その理由はただひとつ、高地だから。

はっきり言って、高地への順応性は本当に人に寄りけり。
なのでもし、高地に行ったことがないという人の場合は、残念ながら自分がどうなるかは全くわからないと思ってもらったほうがいいかもしれないです。
まったく何もないという人もいれば、速攻でつらくなる人もいます。


私はペルーのマチュピチュにいったときが初めての高地だったので、一応、事前に高山病対策の知識を頭に入れ、液体酸素も準備。
多少、体力に自信もあったし、運動も比較的してるほうだったので、大丈夫だろうと。
しかしながらダメでした。
標高2700mくらいのマチュピチュまではOK。でもさらに1000m高いチチカカ湖ではもうK.O。


私の場合は、3000m超えてくると、ちょっと倦怠感とあまり動きたくない不調が出てくる。
4000m超えると、瞬時に「ダルい、頭痛い、何もしたくない、食べたくない」
3800mのチチカカ湖の街、プーノに泊まった日ときは、数日かけて徐々に標高あげていったにもかかわらず、一晩では順応せず体調は極悪に。
寝たくても眠れない。ほぼ一睡もせずに窓を除くときれいな朝焼け…ツライ。

素晴らしい景色なのだけど…ここは標高4000m ラ・ラヤ峠の手前…

事前に高山病対策の知識&リサーチは必須!症状がどう出るかは千差万別

ウユニ塩湖って、その美しさばかりが注目されていて、意外と過酷な地ってことを知らない人もいます。
写真好きにはたまらないいい写真もたくさん撮れるから、そういう情報はたくさんあるんだけど、「高山病対策」については絶対考えておいたほうがいいです。
こういうこと言うとビビッて行かなくなる人もいるから、旅行会社とかもあんまりそのリスクについてははっきり言ってくれなかったりするので…


高山病の体調不良はなんともいえないです。ツライ人は吐いたり、なんだりとんでもないみたいだけど、そうまでいかなくても結構つらい。
高地=体調不良というロジックが出来上がっているわたしにとっては、あれがまた来るのかも・・と思うとウユニ塩湖はちょっとひるんでしまってたわけです。

しかも、ボリビアは空の玄関口 「エルアルト国際空港」ですでに4000m超え、首都ラ・パスもウユニ塩湖も3700m。
ペルーみたいに、“首都のリマに戻れば0mになる!”とか、“マチュピチュに行けば、クスコよりは標高下がる”とか、そういう期待が一切持てない。つまり逃げ場がないわけです。 

ボリビアの首都 ラ・パス

お守りとして薬を持っていくのはおすすめ

そこで過去の経験を踏まえて、とにかくどうすれば高山病にならないのかを調べ上げました。
旅行外来に行って、前回は持っていかなかった予防薬「ダイアモックス」も準備万端。
これに関しても、薬だから効くとも言い切れないし、旅行会社は積極的におすすめしてくれません(薬だから当然ですが)。
でも、私はもし薬のアレルギーなんかはなくて、初めて高地に行くのであれば、お守り的にあったほうがいいじゃないかなと思います。

気持ちの問題なのかもしれないけど、とにかく「これさえあれば!」という期待を込めて、何よりも重要な携帯品として、肌身離さず身に着けておりました。
おかけで、朝一でボリビアに着いて、ちょっと身体が重苦しいくらいで「これなら平気!」と感動すら覚えました!
さすがは薬!薬最高!!

…なんて喜べたのも、実は朝だけの話。
昼過ぎからはベンチで休憩。昼ご飯は食べる気しない。体調は悪かったです。
でも、人と会話はできるし、休んでいれば大丈夫っていうようなレベル。
チチカカ湖に比べれば雲泥の差でした。だからやっぱり薬の効果はあったんだと思います。

まぁ結論は、「やはり私は高地が苦手」。
中には薬もまったく飲んでないのになんともない人もいたし、予防薬を飲んでた友人は体調に変化なく行動できていたので、たぶん体質なんでしょう。
ここはもうあきらめて付き合うしかないですね。

高地についたらまず「休む」。無理のない行程がおすすめ!

一つ学んだことは、「高地についたらまず休む」こと。
成田→シカゴ→マイアミ→ラパス、計30時間近いフライト、エコノミーでほとんど横にならずに朝6時ごろ着でボリビア入り、そこから1日中市内観光し続けるのはさすがにツラかったです・・・。

ウユニ塩湖でトイレに行きたくなったら?当然「青空トイレ」!

あともうひとつ。
トイレは、基本的に青空オープンスタイルです。まるで子供のように(笑)
ありえない!恥ずかしい!という方は、おそらくウユニなんかは選ばないと思いますが。

トイレはあるけど、あのだだっ広い湖の中のにあるレストランの1か所だけ。
「こっち見ないでねー!」と宣言をして、用を足します。

隠せるものはほとんどなく、ちょっと塩が盛り上がってるところを見つけたりするくらい。
オープン度合はハンパないです。
あそこに行ったら、まったく気にならなくなるけどね!

どんなにキツくても行く価値がある、それが世界的な絶景「ウユニ塩湖」

そして肝心のボリビア旅行というと、本当に行ってよかったです。
それだけの時間と労力とお金もかけて、体調管理や健康リスクも考えなきゃならなくっても、すごくいいと思える場所でした。 
さんざん写真も見てたけど、やっぱり自分で出向いて、自分の目で見て、自分の肌で感じて空気を吸って、自分のカメラで撮るものは全然違う。
「自分で経験してみること」の楽しさを改めて感じたのがボリビア旅です。